震災の影響による子どもの貧困問題解決プロジェクトへの支援

【 支援背景 】

被災地支援の一環として、2016年度から上記プロジェクトに協力しておりますが、依然として子どもの貧困率は改善されていない状況にあります。
子どもに必要な学校教育では、進学と共に費用が嵩み、公立中学校の場合は年間約 17.7 万円、公立高等学校の場合は年間約 27.6 万円ほどが家庭から徴収され、子どもの成長に必要な費用に対する家庭負担の割合が大きいのが現状です。
また、大規模災害による家計へのダメージは子どもの生活や成長に大きな影響を与え、もともと脆弱だった家庭がさらに脆弱化することもあり、その影響は長期化するといわれています。東北被災地のみならず、2016 年に発生した熊本地震においても、多くの子どもたちがその影響を受けました。
また、高等学校は義務教育である小中学校に比べ、家庭の経済的負担がより増える傾向にありますが高校生への支援については十分な議論や対策が取られてない状況があります。セーブ・ザ・チルドレンがこれまで実施した給付金提供においても、各家庭から高校における家庭の費用負担やその軽減を訴える声が聴かれました。
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、すべての子どもが環境に左右されず、すこやかな成長や学びの機会を持てるよう、子どもの貧困問題解決に取り組んでいます。同事業の一環として、特に被災地において経済的に困難な状況に置かれた子どもたちを支援するために、2018 年度も「セーブ・ザ・チルドレン子ども給付金~新入学サポート 2019~」を実施、また上記のような背景を鑑み、高校生に対する給付金として「給付型緊急子どもサポート~高校生活応援キャンペーン~」を新たに開始しました。そして2018年度もその活動への支援協力を行いました。

【 支援内容 】

●宮城県石巻市の被災等により経済的に困難な状況下にある世帯の高校生を対象に、支出が増加する夏休み期間中、その家計状況によって、学業や文化・スポーツ活動、修学旅行、資格取得、進学や就職に向けた準備等、様々な機会の制約を受けることを軽減するため、給付金を支給しました。

●新入学に伴う家庭の経済的負担を軽減し、子どもたちの学校生活のスタートを支援することを目的とし、岩手県山田町、宮城県石巻市および熊本県益城町・御船町の被災等により経済的に困難な状況下にある新小学・中学・高校 1 年生(熊本は中高生)に、入学に関わる費用の一部を給付金として支給しました。

熊本地震から丸3年が経過し、2020年で東日本大震災から10年を迎えようとしていますが、経済的に困難な家庭において、影響がより大きく長く続いている状況が、給付金を受給した保護者の方々の声からもうかがえ、給付金の必要性を改めて確認いたしました。 一方、行政や学校等への聞き取りから、熊本地震での給付金の提供は、2018年度で完了することが決定しました。なお東日本大震災被災地における経済的に困難な状況にある家庭への給付金提供におきましては、引き続き支援が必要との判断から、今後も支援協力を行わせていただきます。 また、地震だけではなく台風や豪雨・豪雪による被害も日本各地で発生しています。震災だけに関わらず、今後も災害による子どもたちへの支援要請を受けた際には、可能な限り協力をさせていただく所存ですので、併せまして皆さまのご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

寄付金ご報告

今までの寄付金合計金額
¥158,015,000

(2019年10月31日現在)