震災の影響による子どもの貧困問題解決プロジェクトへの支援

【 支援背景 】

被災地支援の一環として、2016年度から上記プロジェクトに協力しておりますが、依然として子どもの貧困率は改善されていない状況にあります。
日本は現在、子どもの貧困率が13.5%であり、約260万人、およそ7人に1人の子どもが相対的貧困下にあります。一方、教育への公的支出の割合が他の先進国と比較して低く、子供の成長に必要な費用に対する家庭の私費負担の割合が大きい現状です。
特に日本は地震や水害などの災害が多く発生していますが、大規模災害による家計へのダメージは子どもの生活や成長に大きな影響を与え、もともと脆弱だった家庭がさらに脆弱化することもあり、その影響は長期化するといわれています。また、高等学校は義務教育である小中学校に比べ、家庭の経済的負担がより増える傾向にありますが高校生への支援については十分な議論や対策が取られてない状況があります。セーブ・ザ・チルドレンがこれまで実施した給付金提供においても、各家庭から高校における家庭の費用負担やその軽減を訴える声が聴かれました。
セーブ・ザ・チルドレンは、すべての子どもが環境に左右されず、すこやかな成長や学びの機会を持てるよう、子どもの貧困問題解決に取り組んでいます。同事業の一環として、特に被災地において経済的に困難な状況に置かれた子どもたちを支援するために、2019年度も「セーブ・ザ・チルドレン子ども給付金～高校生活サポート 2019〜」「同〜新入学サポート2020〜」を実施、そして2019年度もその活動への支援協力を行いました。

【 支援内容 】

●高校生活サポート2019
岩手県山田町および宮城県石巻市の被災等により経済的に困難な状況下にある世帯の高校生を対象に、給付金を支給しました。家計の状況によって、学業や文化・スポーツ活動、修学旅行、資格取得、進学や就職に向けた準備等、様々な機会の制約を軽減することを目的としています。

●新入学サポート 2020
岩手県宮古市・山田町、宮城県石巻市の被災等により経済的に困難な状況下にある世帯の新小学・中学・高校1年生を対象に、給付金を支給しました。新入学に伴う家庭の経済的負担を軽減し、子どもたちの学校生活のスタートを支援することを目的としています。

台風19号子どもたちへの緊急・復興支援

【 支援背景 】

2019年10月に発生した台風19号は、広範囲にわたり、河川の氾濫や浸水、土砂災害等、甚大な被害をもたらし、3万棟以上の住宅が全半壊し、100名以上の方が亡くなられました。
子どもたちが通っていた保育園や幼稚園、学校、放課後児童クラブ等も被害を受け、自宅が被災し、避難所での生活を強いられ、安全な遊び場を失う等、非日常的な生活を余儀なくされた子どもたちは少なくありません。公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、福島県いわき市と、宮城県丸森町を中心に、こうした子ども達や子ども関連施設に対して様々な支援を実施、そしてその活動への支援協力を行いました。

【 主な支援内容 】

●学用品・備品を提供
保育園や保健センターに、浸水により流出し、使えなくなった備品を提供しました。

●修繕工事支援
河川の氾濫や浸水被害を受けた放課後児童クラブや幼稚園に対し、修繕工事にかかる費用の一部を支援しました。

●給付金支援
大規模な災害は住宅の修繕等、家計の負担を大きくします。子ども達が進学、就職等新生活に向けた準備に支障をきたすことがないよう、給付金を提供しました。

新型コロナウイルス感染症　国内緊急支援

【 支援背景 】

2020年1月から新型コロナウイルス感染症が日本国内でも拡がり、3月より小中学校及び特別支援学校に対し休校を要請し、全国で90％以上の学校が休校措置となりました。厚生労働省は、保護者の就労状況を考慮し、保育所と放課後児童クラブ（以下、学童保育）については対象外としましたが、学校休業中の学童保育への対応要請に、子どもの受け入れ体制の構築、支援員の確保など、学童保育現場は急遽様々な対応を求められることになりました。セーブ・ザ・チルドレンが全国学童保育連絡協議会などから聞き取りを行ったところ、財政的な問題に加え、子どもの安心・安全を確保するための衛生管理や、疲弊した支援員へのサポートが必要であると判明しました。加え、緊急事態宣言により、ひとり親世帯の脆弱さが浮き彫りとなりました。公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、緊急かつ迅速な支援を行うことで、学童保育運営の負担を軽減し、必要な衛生用品の支援や支援員のサポートへの支援協力を行いました。

【 支援内容 】

●放課後児童クラブ（学童保育）緊急サポート
臨時休校に伴い、開所時間の拡大と支援員の増強、衛生用品の調達等に必要な助成金をサポートしました。

間もなく迎える2021年で東日本大震災から丸10年が経過しますが、近年の異常気象から発生する台風や豪雨災害等も加わり、経済的に困難な家庭において、より影響が大きく長く続いている状況が給付金を受給した保護者の方々の声からもうかがえ、支援の必要性を改めて認識いたしました。
また、地震だけではなく台風や豪雨・豪雪による被害も日本各地で発生しています。今後も自然災害による子どもたちへの支援要請を受けた際には、可能な限り協力をさせていただく所存です。
更に、本年発生した新型コロナウイルス（COVID-19）感染症に対する支援は、音楽活動を続ける上で必須と判断し、こちらにも支援協力を行わせていただきます。
引き続きまして、皆さまのご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

寄付金ご報告

今までの寄付金合計金額
￥178,818,000
（2020年12月18日現在）