1) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策支援
【 支援背景 】
2020年5月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な蔓延が始まり、日本全国で初めてとなる緊急事態宣言が発令・施行される中、医療機関の逼迫が喫緊の課題に挙げられていました。特に小規模の診療所ではN95マスクや医療用ガウンなどの物資が枯渇しており、医療従事者の方々が適切な医療を患者様に施すことが難しい状況でした。特にN95マスクにおいては、約500の診療所中、60%で在庫が0という大変厳しい現状がありました。院内感染を防ぎ、適切な医療を継続するうえでもN95マスクの調達が必要とされていました。
そこでNPO法人ピースウィンズ・ジャパンを通し、チャリティーグッズ寄付金の一部を、N95マスク購入配布費用に充当させていただき、医療機関への支援協力を行いました。
【 支援内容 】
●ピースウィンズ・ジャパン「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する緊急医療支援」約1万枚のN95マスクの購入配布および医療チームによる現場での直接支援活動
医療機関に対し、チャリティーグッズ寄付金にてN95マスク200枚・約500施設へ支援させていただきました。
また、同タイミングで物資支援を行われた小松製作所様製作のフェイスシールド10枚もセットいただき、各医療機関に寄贈されました。
2) 東日本大震災の被災家庭の子どもたちに対する給付金事業への支援
【 支援背景 】
被災地支援の一環として、2016年度から上記プロジェクトに協力しておりますが、依然として子どもの貧困率は13.5%と高く、約260万人、およそ7人に1人の子どもが相対的貧困下にあります。一方、教育への公的支出の割合が他の先進国と比較して低く、子供の成長に必要な費用に対する家庭の私費負担の割合が大きい現状です。
義務教育である小中学校で掛かる費用は、公立小学校は年間約10.6万円、公立中学校は年間約18.2万円と年々微増しています。また、高校に関しても、公立高等学校は年間約28.0万円が平均的に家庭から徴収され、子どもの成長に必要な費用に対する家庭の私費負担の割合が大きい現状です。
特に日本は地震や水害などの災害が多く発生していますが、大規模災害による家計へのダメージは子どもの生活や成長に大きな影響を与え、もともと脆弱だった家庭がさらに脆弱化することもあり、その影響は長期化するといわれています。また、先述の通り、高等学校は義務教育である小中学校に比べ、家庭の経済的負担がより増える傾向にありますが高校生への支援については十分な議論や対策が取られてない状況があります。セーブ・ザ・チルドレンがこれまで実施した給付金提供においても、各家庭から高校における家庭の費用負担やその軽減を訴える声は今もなお聞かれます。
さらに、家庭間の経済格差がある中で、2020年からの新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、東日本大震災にて被害を受けた地域でも、その影響が懸念されている状況です。
こうした中、セーブ・ザ・チルドレンは、すべての子どもが環境に左右されず、すこやかな成長や学びの機会を持てるよう、子どもの貧困問題解決に取り組んでいます。同事業の一環として、特に被災地において経済的に困難な状況に置かれた子どもたちを支援するために、2020年度も「セーブ・ザ・チルドレン子ども給付金~高校生活サポート 2021〜」「同〜新入学サポート2021〜」をコロナ禍の緊急対応と並行しながら実施、2020年度もその活動への支援協力を行いました。
また、セーブ・ザ・チルドレンが支援を行ってこられた東北での子ども給付金は、東日本大震災から10年を区切りとし、今年度で終了となります。
【 支援内容 】
●「セーブ・ザ・チルドレン子ども給付金 〜 高校生活サポート2021〜」
岩手県山田町および宮城県石巻市の被災等により経済的に困難な状況下にある世帯の高校生を対象に、給付金を支給しました。家計の状況によって、学業や文化・スポーツ活動、修学旅行、資格取得、進学や就職に向けた準備等、様々な機会の制約を軽減することを目的としています。
●「セーブ・ザ・チルドレン子ども給付金 〜新入学サポート2021〜」
岩手県宮古市・山田町および宮城県石巻市の被災等により経済的に困難な状況下にある世帯、且つ2021年4月に小・中学校、高校への進学する子どもを対象に、給付金を支給しました。新入学に伴う家庭の経済的負担を軽減し、子供たちの学校生活のスタートを支援することを目的としています。
寄付金ご報告
今までの寄付金合計金額
¥191,473,500
(2021年11月2日現在)